過去問題集 購入アドバイス

◆過去問題集の特徴について

 

 

関東地区は色々な会社から過去問題集が発行されていますが、伸芽会こぐま会理英会出版の3社が良く売れています。この3社は、問題内容がしっかりした問題集を制作していると、他の幼児教室からも評価されており、実際に使われています。

 

 

理英会出版に取材をさせていただきました。毎年発行している『そっくり問題集』(過去問)の内容に、とても自信をもって編集していました。
実際に受験した多くの幼児から、入試内容を聞き取り調査を行い問題集を作成しています。
入試の様子を詳しくイラスト化できるのも大手幼児教室ならではの確かな情報力の表れでしょう。
サンプル数が少なく、内容に確かな自信が持てない時は出版しないそうです。
折り紙などの具体物が同封されているのも『そっくり問題集』の人気の秘密のようです。
発行学校数が多いのも特徴です。ネット注文が多いそうです。


こぐま会さんにもお話を伺いましたが、入試情報の分析力はとても素晴らしいものがあります。1問1問、なぜその問題が出題されたのかまで掘り下げて考えようとする姿勢を持った幼児教室です。それが問題集などにしっかりと生かされています。
一部の学校側から出される入試問題や入試情報に頼らず、独自の分析と情報収集力で過去問題集や分析本を作成しているのが特徴です。
“入試分析力と問題作成能力に長けているこぐま会”と言われている理由がそこにあります。


伸芽会さんの過去問題集は、上記2社と同じように最大手の幼児教室らしく“入試情報力”が売りになっています。収録年数が多いのが最大の特徴です。冊子タイプの過去問題集なので内容を見てから購入できるのが良いです。

 

関東地区は、“安心して使用できる問題集”としてこの3社の名前があがります。
3社とも口を揃えて言うのは、実際に多くの幼児から聞き取り調査を行わないと“確かな”過去問題集を作ることはできないということです。上記のとある会社の代表が、自分たちが収集した情報を使って問題集を作っている会社があるという話を耳にして悲しんでいたそうです。入試情報を真似されていることより、そのように安易に作られた問題集を購入して学習している幼児たちがいるかと思うと心配でたまらないようです。
お子様のために、過去問題集は慎重にお選びください。



◆関西圏では奨学社さんの『有名小学校入試問題集』がとても良くできています。 B4判の厚い問題集になっています。
この問題集の素晴らしいところは、「学校ガイド」、「昨年の入試問題」、「テスト当日のスケジュール」などが32校分まとめて掲載されているところです。
志望校の入試問題だけではなく、実践問題対策として他校で出題された問題が一通り学習できるのが特徴です。 発展・実践問題の学習として、関東でも使用している幼児教室があります。
ボリュームの割りに安価なのも魅力です。
今まで関西圏は、“信頼のおける過去問題集”というカテゴリーでは奨学社さんが独占していました。
しかし、近年は、関西圏にも教室を持つ理英会が「そっくり問題集」を発行し、ラインナップも充実してきました。
関西圏の方には、奨学社と理英会出版という安心して選べる選択肢が2つに増えたことは喜ばしいことだと思います。

 

過去問題集ではありませんが、セブンシーズさんの学校別対策問題集は発行学校数が多く、書店でもよく見かける問題集です。筑波大学附属小学校対策問題集はA・B・Cグループ別に発行しており、受験者にとって、とても親切な問題集と言えます。



このように過去問題集ひとつとっても、それぞれに特徴があり、実際に編集者の方にお話を伺ってみると、過去問題集や教材に対する熱い想いがとても伝わってきます。

各社問題集の特徴を踏まえて、過去問題集や対策問題集をお選びになることをおすすめいたします。

 

 

 

◆過去問購入 ワンポイントアドバイス!

『良い過去問選びが合格への第1歩です。 ~お子様のために、良い問題集選びを~』

「大手幼児教室が作成している過去問題集はとてもよく再現ができていますね。質問に使っている“言葉や表現”などもぴったり当たっているときがあって驚きます。」とある校長先生が感心していました。もしかしたら感心していたのではなく困っていたのかもしれません。

大手幼児教室は、受験生の数が多く、その多くの生徒たちから聞き取り調査を行っているので、より実際の入試問題に近づけることができているようです。
小学校受験では、質問の仕方、言葉の選び方一つで、その問題の難易度が変わってくる場合が多々あります。合格を目指すには、過去問題を使っての学習は避けて通れませんが、より正確な情報を基に作成している過去問題集を使用した方が良いことは言うまでもありません。
大手幼児教室の場合、聞き取り調査はその幼児教室の生命線です。ですから、聞き取り調査を行う先生もベテラン先生であったり、その聞き取った内容を基に問題を作成するのも熟知した方が行っています。熟知した方でないと問題の精度を上げることがとても難しいのです。幼児教室にとってどのような問題が入試で出題されたのかを知ることはとても重要なことです。ですから、大手幼児教室は“入試問題の再現”に力を注いでいるわけです。過去問題集を出版するために聞き取り調査を行っているというより、教室に通う生徒のためにより詳しく聞き取り調査を行い、それを本という形にまとめて流通させたものが過去問題集になっているとご説明した方が正しいかもしれません。

発行学校数は少ないのですが徹底的に問題分析を行っている 「こぐま会
問題精度に自信を持っており、発行学校数NO1の 「理英会
会員数の多さ、正確な情報、問題精度に自信を持っている 「伸芽会

以上の会社が発行している過去問題集の評判が良く、毎年書店でも多く売れているとのことでした。
また、中小の幼児教室さんの中には、生徒さんにこの3社の中からの過去問題集の購入を薦めている教室もあるようです。

その昔、とある会社の、実在しない幼稚園の過去問題集が書店に並んでいたという珍事?もありましたので、 保護者様には過去問題集選びは慎重に行っていただき、情報が正確で、安心して学習できる過去問題集を使用されることをおすすめいたします。

以上 小学校受験新聞 から転載